そこが知りたい:FTAの素顔
F-killer, Hajime
さて、この2週間のあいだに、第二次交渉の決裂ということ自体が疑わしいという話しをお伝えしたと思います。
ヨンハプニュースによると交渉の最終日に韓米両国政府は医薬品部門に関する交渉を完了したということです。
交渉が決裂したという政府の発表は世論を意識した茶番劇だったというわけです。
うそつき政府に対抗するためにも、Fキラーニュースは
韓米FTAとは何か?さらに詳しく検証して行こうと思います。
そうすることで、韓米FTAをなぜ防がなければならないのか、
また、なぜ韓米FTAがわたしたちの未来にとって大きな災難になるのか
学んでいきたいと思います。
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それでは、きょうは、FTAがいったい何なのか!こんいう基本的なことの把握から始めましょう!
多少詰らないはなしになるかもしれませんが、辛抱して聞いて下さい。
わたしたちの生活がどのように決定されているのか、
だれよりも良く知らなければならないのは、まさに私たち自身のはず。
ですから。
FTAとはFree Trade Agreement。すなわち自由貿易協定の略です。
基本的には2国間の貿易障壁を緩和したり撤廃したりするものですが、
それ以外にも、アメリカ、カナダ、メキシコの間に結ばれているNAFTAのように隣接した国家間で締結するものや 、加盟国がすべて単一の関税と輸出入に関する制度を維持するヨーロッパ連合のようなものも、FTAの形態としてあります。
歴史的な脈絡から見てみると、
1947年、第2次世界大戦以降
連合国はジェネラル・アグリーメント・オン・タリフス・アンド・トレードすなわちGATT体制を出発させます。これは、日本語に約すと、「関税および貿易に関する一般協定」と呼ばれるものですが、
この設立の背景には、第二次世界大戦の原因の一つであったと言われる保護貿易主義を克服し自由貿易を拡大するための協定を作ろうという考えがありました。
ところが、この体制ではFTAは例外条項としてのみ許容されていたというのです。一体これは、どういうことなのでしょう?
例で言うと、次のように説明できるかもしれません。
仮に、Aという国とBという国がFTAを締結したとしてみましょう。
二つの国の間の関税が撤廃されれば、
それはCやDという国にはかえって差別になってしまいます。
これが、FTAがGATT体制では例外にすぎなかったことの理由として挙げられます。
また、このような理由からもGATT体制下でFTAは、圧倒的な力を持ったアメリカが主導する自由貿易に対する一種の牽制装置だったとも言われています。
当たり前のことですが、このような文脈でアメリカはFTAに非常に消極的でした。こういう歴史があったこと、皆さんはご存知でしたか?
知らなかったとしても、今日から知った顔して、どんどん言いふらしてください。
知られざるFTAの歴史について。
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ここで、ちょっと、一言!
FTA反対を言うことは、鎖国政策だと、韓国政府は主張しているんですね。。。
ノームヒョンさんも官僚に振り回されてますから、困っちゃいます。。。。
FTA自体が歴史的には、 GATT体制の中にある限られた保護主義ブロック・一種の鎖国、として始まったということを考えてみると。
FTAをするっていうのが実は鎖国的になるんじゃないか、と茶々を入れたくなります。
だって、韓米FTAは、言ってみれば、アメリカとだけ開国するけど、他の国とはしないっていうことになりますよね。
なんでアメリカだけなん?
っていう素朴な疑問を持ってしまうんですけど。
これは、我々エフキラーだけの疑問なんでしょうか?
こうして、
アメリカ一国開国政策としての韓米FTAを考えてみると、韓国の農民をはじめとする一般民衆には何の利益もなく、大企業がメイッパイ得するっていう仕組みが見えて来ます。そしてこれが、アメリカの経済的世界戦略だけじゃなくて、軍事的世界戦略ともつながっているってことも、よーく見ると見えてくるんじゃないかというのが我々エフキラーの主張です。
こういう複雑な状況を前にして、鎖国か、開国かなんて言う二者択一の選択肢をつきつけるのがどれだけアホなことか、韓国政府の官僚は、世界というテストで私たち大衆を落第に追い込もうとしています。
日本の人に、もう一言付け加えておくと、「鎖国」っていう言葉は韓国ですごくネガティブに受け取られやすいっていうことがあります。なぜなら、朝鮮末期に鎖国をしたため、結局、国を植民地化されてしまったっていう考えが正しいかどうかは別として広く行き渡っているため、鎖国か開国かと言えば無条件に開国しなければいけないような風潮があるんです。とくにこれは96年の通貨危機以降強くなったようです。
10年以上バブルがはじけたまんまだった、どこかの国で国民が「改革か、反改革か」っていう勇ましい選択肢を突きつけられて、半そでを着たエルビスの物まね芸人が首相として人気だったのと、ちょっと似てるかもしれません。
韓国、あぶない!!
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とにかく、このように、FTAの性格が変わったのは1994年WTO体制が樹立されてからのことなのです。
WTO体制は貿易対象を狭い意味での商品にだけ限るのではありません。投資、知的財産権、農産物、またこれらのもの以前に私たちの生活に関わってくる公共のサービスが取引の対象つまり商品になるのです。
つまり、 投資資本の自由な移動はもちろん、文化、保健、医療、水、電気までが徹底的に資本によって所有されるようになる、そのような基盤がこのWTO体制によって推し進められたのです。
GATTが商品貿易という限られた形態の自由主義的なグローバリゼーションだったなら、WTO体制は私たちの生(命であり生活)全体を貿易の対象に変えてしまったという点で、新自由主義的グローバリゼーションだと言えるでしょう。
地球上のすべての存在、すべての命を商品に、そして投機の対象にすることが新自由主義的世界化なのです。
ですから、WTO体制におけるFTAは、GATT体制であったような幾つかの国の間だけに限った単純な自由貿易協定ではなく、生・いのちのすべての条件を包括してしまう前方位的な経済統合協定として機能することになるのです。
一国の経済を一瞬にしてフイにしてしまうような株価操作、また多国籍企業が投資という名のもとに国内企業を買収しては売り払い多額の利益を得ても、税金逃避国に会社を置いているために税金も払わず、その影でリストラされる会社員たち。これはアメリカの投資会社ローンスターが実際に韓国で起こした事態なのです。このようなことを、さらに簡単にかつ合法的にできるようにするのが韓米FTAなのです。
もちろん、FTAは自然環境のことなんかお構いなし、少しでも多国籍企業が環境保護の規制によって不利益をこうむるようなことがあれば、規制をする側、つまり国が訴えられるようなことになるのです。メキシコのある村でアメリカ企業メタルクラッド社が垂れ流した汚水によってがん患者が続出したのですが、結局は規制しようとしたメキシコ政府がFTAに基づいて訴えられ巨額の罰金を払わなければならなかったというのです。勝者は常に大企業。特にアメリカの大企業というわけです。
このような体制、 新自由主義体制では、いいFTA、わるいFTAという区別などありません。それは、すべての生・いのちを資本に還元する国際的取引のことなのです。
しかし、忘れてはなりません。FTAに反対するのは貿易自体に反対することではないのです。私たちは私たちの生・いのちを破壊する貿易に反対するだけなのです。
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貿易や投資は大企業の利益のためのものだけではなく、全ての民衆の利益を作り出すものでなければなりません。水や電気、医療や薬など基本的なサービスを受けるのは人権に関わることであり、多国籍企業の権利よりも優先させなければならないのは当たり前のことです。
しかし、アメリカが推進するFTAはこれらの全てのものを多国籍企業の利潤のための商品にしてしまうのです。FTAを締結するかしないかは、生・命のあり方を選択する問題なのです。FTA反対は単純に反対の為の反対などではありません。わたしたちには、そして世界には、新自由主義の優勝劣敗の生き方ではない、別の生き方、さまざまな生き方を選択する権利があるのです。そのような新しい生き方を夢見、模索するためにFTAに反対しているのです。
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でも、そうした生き方を可能にする貿易などあるのでしょうか?
実はいま、そうした試みがあちこちでなされようとしています。
例えば南米のボリビアはアメリカとのFTAを蹴って、ベネズエラそしてキューバと民衆貿易協定を結びました。自国民に無償で医療を施しているキューバはボリビアに医療部門での支援をし、ベネズエラはボリビアに技術的な支援をする。そのかわりボリビアは農産物や天然ガスの供給をする。また熱帯雨林の植物などからとれる物質などから医薬品をつくるための共同研究をする。これが彼らの民衆貿易協定です。
また、最近、日本でも聞くことが多くなってきた、コーヒーや紅茶、そしてバナナなどのフェアトレードも一つの例でしょう。このような貿易では、生産者や労働者そして環境を搾取しない、お金もうけだけが目的ではない、生産地と消費地のより人間的な関係作りが、貿易をする大きな動機になっています。
これらは例であり、まだまだ試みにすぎませんが、このような貿易こそ、人々の、そして地球の生・命の営みのために、また、そうした営みの連帯のために、これからどんどん試みられるべきではないでしょうか。
ところで、新しい生き方を夢見る友人達はソウルにもいます。
毎週木曜日7時には光化門の東亜日報社の前で平澤の
米軍基地拡張に反対するロウソク文化祭が、また、毎週金曜日7時には韓米FTAに反対するロウソク文化祭が開かれています。
木曜日と金曜日、もしソウルにいらしたら、散歩がてらにでも光化門に来てください。私たちには銃はありませんが、ロウソクがあるのです。
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今日のニュースを締めるのは、韓国ロックの王道を行く?アンチファンの反戦歌、ストップ・ザ・ウォー。
この歌の歌詞がどんなものなのか、ちょっと訳してみると、次のようになります。
おまえが叫ぶ正義、おまえの胸の中には無い。
侵略が正義なのか?アハ、止めろ戦争を。 Stop the War.
おまえが叫ぶ自由、おまえの胸の中には無い。
殺人が自由なのか?アハ、止めろ虐殺を。 Stop the War.
おまえが信じるという神はおまえの胸のなかにはいない。
おれが知っているおまえの神は、アハ、愛を語る。Stop the War.
おまえが叫ぶ正義、血に染まるドルの力だ。
ドルは果てしなく、アハ、収奪を叫ぶ。Stop the War…..
では、聞きましょう。アンチファンが歌う、戦争を止めろ
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